「ねえ、瞳。
あの頃の君はポケットの中いっぱいに
夢と希望をつめこんでいたね。
そのポケットには小さな穴があいていたのに。
こぼれおちた宝物を拾い集めて届けるために
僕は君を探し続けてるんだ。今も、ずっと…」つーことで、
『NANA』の最新刊を読んだわけですが。
みんなヤリまくり。なんですか、これ。
女子高生向けのレディースコミックですか。
以前も『NANA』については記事にしたんですけど、4巻くらいまではホントにおもしろかったんですよ。
地元で知り合いつき合った章司を追いかけて上京してきたものの
章司が他の女の子に心変わりをしてしまい奈々がフラれるまでは
現実感ある設定だったし、
ずっと主人公レベルだった男が脇役にまわるってゆーのも
新鮮だったし、
調子にのってる奈々がちゃんとフラれてすっきりしたし。
でも、もう、人気バンドのメンバーとすったもんだしだしてからは
夢見る少女じゃいられない中年女性には「ハア?」ってカンジです。
なんでミーハーで脳内色恋で
困ったとき(=ここぞというとき)にはすぐに泣いて逃れる奈々のことを
みんなカワイーとか思って好きになっちゃうんでしょうか。理解不能。
あと、ナナはレズなんでしょうか。
しかし、
これだけヒットしてるんですから必ずその要因がある訳でして、
そのひとつが、冒頭で三流ライター安ひとみが書いた文章のような
未来からの語りかけ戦術だと思うんです。
「ねえ ナナ
今も恋する乙女達は
ナナの歌を聴きながら
ナナとレンの物語を語り継いでいるよ
だけど あたしが見たかったのは
あんな悲しい結末じゃなかったのに」このように
何か未来には不幸な出来事が待っているんだな、という
信号が送られるとやはり続きが気になります。
これは野島伸司や北川悦吏子もよく使う手です。
「あの時の僕たちは、ただそこに砂の城を築こうとしていたんだね。
ほとんど人の来ることのない、小さな公園の片隅に…」
『高校教師』「ねえ、柊二。
あなたと会って、ラスト何ヶ月かで私の人生は、
星屑をまいたように輝いたんだ…」
『ビューティフルライフ』物語の内容はどうあれ受け手をひきつけるには
効果的な戦術であり、
『NANA』はこういうセリフの使い方が上手いと思いました。
あと、映画でナナを演じる中島美嘉さんは化粧が濃すぎるので
永瀬正敏さんは注意してあげたほうがいいとおもいました。
<おまけ>
♪選挙の日って ウチじゃなぜか 投票行って外食するんだ
それくらいのオプションつけないと投票に行くモチベーションが
上がらないので帰りにデニーズでごはん食べてこようとおもいます。
「いらっしゃいませ。お一人様ですか〜?」て
あんまり大きい声で聞かないでください。
安ひとみ、安ひとみに清き1票を!